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構造安全性を確保し、その上での豊かなデザインを心がけている建築設計事務所です。

Kenichi Kurihara architect office

スキップフロアーの住宅SKIP FLOOR HOUSE

■敷地は東京都港区の住宅やビルの密集する商業、防火地域にあり建蔽率は80%、容積率は500%に指定されています。
狭小敷地でかつ厳しい立地条件の中で必要な空間を確保するためスキップフロアー形状を採用し、光庭を設けるなど狭い中でも変化のある空間構成を提案しました。

 
 ■平面図・立面図はこちら

 ■youtube動画はこちら 

前面道路が2.7mなので容積率は240%に減り、敷地面積が約80uなので延べ約200uまでしか建築できず、3階建てが限度です。

依頼主の要望は事務所兼住宅でしたので、1階を車庫と事務所、2,3階を住居として提案しました。
密集地帯で隣家との間隔がせまいことから、中央部にルーバーで目隠しした光庭を設けて奥の部屋への採光とプライバシーの確保を図りました。
2.7mの前面道路は4mとみなされますが道路斜線制限の規制を受けますので、低くても許される車庫の天井高さを抑えて2,3階の住戸部分の空間を可能な限り確保します。

事務所として必要な天井高さ確保のために、後ろ半分の各階床面を上げるスキップフロアー方式を採用しました。
内部空間構成をさらに説明するために、建物を上空から見たアングルで最上階から順番に下の階の内部を説明します。
 
屋上の状況です。

光庭の上部は解放されています。
3階の間取りです。

中央の階段室と光庭を挟んで二つの個室を配置してあります。また、この階には、浴室も設けてあります。

右側の個室とホールの床面は左側個室から1mほど高くなります。
2階の間取りです。

中央の階段室、光庭の左側の玄関は外階段からアクセスします。
玄関の左側に主寝室があり、中央の階段室から60センチメートルほど高くなった右側部分に居間、食堂、台所を配置してあります。
1階間取りです。

車庫と事務室があります。

車庫の天井高さは2mです。事務室の天井高さは2.6mほどで、依頼主が本建物の新築前の旧家屋のころから営んでいた業務の仕事場になります。
内部のパースを順番に示していきます。 
これは階段室から見た2階の玄関ホールです。
右奥に主寝室のドアが見えます。
  玄関ホールから中央の階段室と光庭を見ています。
玄関ホールは光庭に面していますので、一定の明るさを確保できます。
60センチメートルほどの段差の階段の奥は居間、食堂、台所です。左側の階段の下に洗面所があり、その横にトイレがあります。
  2階の居間から、階段室と光庭、その先の玄関ホールを見ています。
  2階の居間から、食堂と台所を見ています。
2階の台所から対面式のシステムキッチン越しに居間と光庭・階段室方向を見ます。
玄関ホールの奥の道路側に配置された2階の主寝室です。
3階の洗面コーナーから光庭と階段室を見ます。
1mほど高い階段室奥のホールはフレキシブルに活用できます。洗面コーナーの奥に浴室があります。
3階のホールから光庭と階段室を見ます。光庭の上部から直接日差しが入ることもあります。
道路側の3階個室です。斜線制限などからこの部分が道路より後退していますのでバルコニーがあります。
道路と反対側の3階ホールの先の個室です。
この部屋もバルコニーがあります。
2階の光庭を主に見てみます。

ルーバーの角度は隣家からの視線は遮り、日差しを取り込むように設定しています。
光庭の俯瞰です。

床は排水を設けて植栽が可能なようにしています。
1階事務所の内部です。

この部屋はじめ各室に配置した家具類は3Dモデリングソフトのパーツを利用していますので、実際に依頼主が使用した家具類とは異なります。
 
1978年当時はまだパソコン登場前で、3Dモデリングは全く実用化されていませんでしたので、依頼主にイメージを持ってもらうための模型は重要でした。

この建物が実在した証として竣工時の写真の一部をお見せします。今回の3Dモデリングでは色彩や素材等、若干のアレンジをしてますが、形状は同じです。
以上、スキップフロアーの住宅を紹介させていただきました。
工事監理を適切におこないましたので、45年経過してもこの建物は健在です。
当事務所の設計事務所としての力量をご理解いただければ幸いです。

バナースペース

栗原健一建築事務所

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パレスガル122号